2019 IB results for Singapore (May and Nov cohorts)
私はこれまでブログでは独断的な比較などは出来るだけしないで、淡々とソースに基づいて書くように気を付けてきました。
しかし、今回の話題は「どうしてシンガポールなのか?」と言う事で、どうしても日本やアメリカの学校と比較する事になってしまいます。
日本もアメリカも、我が家が探したのはNYCやサンフランシスコ、東京ではなく、地方都市ではあるけど大都市、と言うカテゴリーのごくごく限られた中での選択でした。そこのところをお含みおきいただいて読んでいただけると幸いです。
そして毎回言いますが、あくまでも私の個人的な感想や好みです。
さて、本帰国が決まった時に一番に考えたのは、下の子の学校の事でした。
確か2月の末とかだったと思います。アメリカの本社に出張から帰った夫から「アメリカ本社に帰任が決まったよ」と言われた時は驚きました。
もう、年も年だしかなり長くシンガポールに駐在しているし、これはすでに本社では忘れられた存在で定年まではシンガポールにいると私は勝手に思っていましたから
。
アメリカ、日本といろいろ調べたのですが、結果シンガポール残留を決めた一番大きな理由は、上に貼った
2019 IB results for Singapore (May and November cohort)
にあるIBの結果と、IBDPコースの選択科目の豊富さでした。
IBDPの選択科目の多さ(Self Taughtは除く)
シンガポールのインターナショナルスクールの多くは非常に多くの選択科目を用意しています。
なので、高校生の時から子供達は哲学や心理学、Design Technology、Dance, Dramaなども選択する事が出来ますが、実はそれは非常に恵まれた事であって日本のインターナショナルスクールやアメリカの高校ではそんなに豊富な選択科目をOfferする学校は多くありません。
日本の一条校(インターナショナルスクールではなく一般の高校でIBDPで取れる学校)は、選択科目が非常に少ないのと、高校3年間でIBDPと日本の文科省の指導要項に沿った日本の高校卒業の為の単位も取得しなければならないので、高校2年時での編入が出来る学校も少ないだろうと思い(実際学校に聞いてはいません)、候補には入れませんでした。
IBDP合格率(Passing Rate)の高さと平均点の高さ
これも、日本の帰国子女受験用の予備校(河合塾、駿台、代ゼミなどの国際部)の説明会に行かれた方は聞いた事があると思いますが、予備校の担当の方がおっしゃるには、シンガポールからの帰国生のIBDPの点数は非常に高い、と言う事です。もちろん、シンガポールのローカル校に比べたら低いですが、日本インターナショナルスクールやアメリカの現地校に比べると合格率や平均点が高い学校も多くあります。
いくら平均点が高くでも自分の子供が努力をしないと、どうしようもないですが、我が家の上の子(勉強あまりしない)が以前言った、
「友達がみんな頑張って勉強して、そこそこの成績を取っているのに自分だけ出来ないとちょっとカッコ悪いから、ちょっと頑張る」
と言ったのが印象に残っていて、Peer Pressureと言うのか、それが良い方向に効いてある程度環境に左右されると言う事はあるんだな、と当時思った事を今回思い出した、という事もありました。
そんなこんなで、いろいろ考えたのですが、以下ご参考までに、アメリカと日本の学校を調べた時の感想です。
【アメリカの学校】
下の子はアメリカ生まれですが、3歳の時にアメリカを出てシンガポールと日本で育っているので、ここで少し「アメリカ人」としてアメリカの高校に行っても良いかも?とも思ったのですが、アメリカの学校はIBをAPと同じ様に扱っており、得意科目だけをIBで取ると言う学校は割りとあっても生徒全員がFull Diplomaを目指す、と言う学校が少ないのです。ここが大きなネックでした。そんな中、考えた学校は、
1 その都市で最初にIBDPを導入した公立高校(日本語Aがある)
2 その都市唯一のInternational School(日本語Aがない)
3 その都市で新鋭のPrivate schoolの進学校(日本語Aがない)
4 日本で通っていた小学校の姉妹校。IBDPはない。(女子校)
1 その都市で最初にIBDPを導入した公立高校(日本語Aがある)
かなり歴史のある公立高校で、昔、その学区はその都市で一番と言われるエリアでしたが、近年はそうでもないらしく、アメリカで学校を調べる時によく使われる、
Graat Schools.com によると、貧困層(ランチの補助がある)の割合も思ったよりも多く、IBDPの成績も散々だったので無し。唯一日本語AをOfferしている学校でした。
2 その都市唯一のInternational School(日本語Aがない)
平均点は34点と公立IB校や進学校と言われる私立学校よりも高く、インターナショナルスクールなのでIBDPの選択科目も多いほうでした。今調べてみると当時よりも科目が増えていました。当時ここまで豊富だったら、転校をもう少し考えていたかも知れません。
ただ、やはり大きな問題は「日本語Aがない」。これはBilingual Diplomaを目指す我が家としてはちょっと譲れないところでした。
3 その都市で新鋭のPrivate schoolの進学校(日本語Aがない)
この学校は以前住んでいた所の近くで、有名な新鋭の進学校だったので、どれだけの実績を出しているのか、と期待していたのですが、学校のサイトに乗っているIBDPの結果はシンガポールのインターナショナルスクールと比べると至って普通。その割りには学校も行かせている保護者もプライドが高い。日本語Aもない。
実はこの学校には、上の子が幼稚園に入る時に受験候補に入っていた学校だったので見学に行ったのですが、人種差別も感じて非常に感じが悪かったので元々の印象が悪いと言う先入観がありました。(でも、結局アジア系の生徒が多い学校として有名になっています)
なので、ちょっと書き方が意地悪ですみません
。
4 日本で通っていた小学校の姉妹校(女子校)
日本同様、小中高一貫の女子校に高校2年生から新入生で入るのは、ちょっとしんどいだろうと言う事で無し。
2のインターナショナルスクールとシンガポール残留と最後まで悩みました。
アメリカでIBDPをやりたいと思ったら、インターナショナルスクールが一番いいのかな?とも思いました。
【日本の学校】
1 実家近くのインターナショナルスクール
この学校はIBDPの選択科目が少なく(日本のインターとしては多いがシンガポールのインターに比べると断然少ない)。
それも大きな理由でしたが、極めつけは学校に電話をして、
・社会科群の中の科目の1つでうちの子供が取りたい科目がそちらの学校にはないので、English A、Japanese Aの他にもうひとつ語学(初級スペイン語など)を取る事が出来るか?
・日本国内のインターナショナルスクールからの日本の大学への帰国受験(4月入試)は基本的に出来ないが、する生徒はいるか?またその為の指導はあるか?
と質問したら、電話に出た日本人女性に
「うちの学校は英語で勉強するので、うちの生徒で日本の大学で日本の授業を取れる日本語力がある生徒はいません」と自慢げに言われた事。
確かに日本のインターナショナルスクールの幼稚園や小学校低学年では、「英語で勉強する」と「英語を勉強する」学校の違いがよくわかっていない保護者の方もいて、学校側もそう言う対応になるのも少しは想像出来ますが、高校2年生のそれもIBDPの話をしているのに、こんな頓珍漢な事を言われて正直ドン引きしてしまいました。
English Aも取るって言ってるのに、何言っちゃってんだ、この人?と正直呆れました。
ちなみにこの時は「College Counselor」に繋いでもらったはずなのですが、この学校に子供を通わせているお友達に聞いたところ「College Counselorに日本人はいないよ」と言う事で、私はこの時一体誰と話したのかは未だに謎です。
で、友人によると毎年、何人かは日本の大学へAO入試などで4月入学する子もいるそうです。
でも、この学校の名誉の為に一言。
どうやら我が家はこの学校にはホトホトご縁がないようです。日本在住の時も何度か連絡を取った事があるのですが、毎回毎回本当に変な担当者に当たってしまって、結局いつも嫌な思いをして終わります。なので、この時は本当に「ご縁のない学校なんだな」と痛感しました。
それは我が家にとってであって、お友達のお子さんも多数通っていますが、楽しく過ごしているので、これは我が家に限った話だと思います。
と、そんなこんなわけで、我が家は2年間のシンガポール母子残留を決めたのでした。