文科省が推進している日本語のIBDP。今年初めての合格者が沖縄と仙台の高校から出たそうです。
日本語IBDPと言うのは、English以外は全て日本語で履修できると言う事ですが、初年度の今回、どれだけの科目が日本語でとれたのかが定かではありません。ひょっとしたら「一部日本語」と言う事ですので、6科目のうちの何科目かは英語だったかも知れません。
新聞記者の方も、たぶんIBについてはよくご存知ないので、詳細まで詳しくは書かれていないので、わからないのです。
毎回思うのですが、日本でのIBDPについての記事には必ずと言っていい程、
「欧米のトップ大学への入試資格」
「ハーバードも採用している入試資格」
「アイビーリーグへの切符」
など、IBDPを取ればアイビーリーグやオックスブリッジに入れる様な記述に違和感を覚えます。ご存知のように、IBDPを取るだけではアイビーリーグには入れません。最低でも45点満点中40点取れないとその土俵にもあがれません。世界平均30点ですから、かなり優秀ではないと受ける事さえ学校から推してもらえません。
IBDPを取らなくても、今までも日本の普通の高校からアイビーリーグに入った子供達はたくさんいます。若い頃友達が、
「ハーバード行きたかったら、校区で一番ランクの低い高校に行って、英語だけ頑張ってSATとTOEFLで高得点取って、学校の成績でトップ取るのが一番の近道だよね。」
こんな事を言っていましたが、実際、これが通用するのかどうかはわからないですが(アメリカの大学のアドミッションはかなり深く見るので、日本の高校のレベルも把握していると思われます)、別にIBDP取らなくてもアイビーリーグに進学する日本の高校生はいるわけです。
今回日本語のIBDPを取得された生徒さん達は、日本の勉強とはまた違った勉強方法だったと思うし、少なくともEnglish Bは取らないとならないので、TOEFL iBT90点以上は取れる英語力があると思うので、とても頑張って素晴らしい事だと思います。
でも、私は日本語IBDPを推進するのであれば、日本の大学がIBDPを取得した生徒たちに、その趣旨を理解してIB入試の門戸を広げてもらいたいと思います。
去年の夏、お友達がIB入試を実施している日本の国立大学に見学に行った際感じた事は、
「なんか、全然IBの事をわかってない感じ。文科省に言われて仕方なしにIB入試をしている、って感じがした」
と言っていました。まぁ、それは日本だけではなくて、アメリカの大学も別にIBじゃなくても良いって言うのは同じなのですが。日本でも岡山大学などはGlobal 30の時からIB入試には前向きに取り組んでくれていて、IBDPの意義みたいなものを理解して下さっていると思います。でも、そう言う大学はごく少数な気がします。
IB入試も「日本国内の学校でIBDPを取得した者に限る」と言う条件があったと思えば、「日本語B(外国語としての日本語)で6以上」など、日本人でIBDPを取得した生徒対象なのか、留学生対象なのか?日本語での大学の授業について行ける能力を問うのであれば、日本語A(母国語としての日本語)取得も条件にする方がいいんじゃないかと思うのですが。
国立大学が「IBDP38点以上。数学、物理はHL履修」とハードルをかなり高く上げていると思えば、そこそこ優秀な私立大なのに「IBDP26点以上」とか、これまた異常に低い点数をあげていたり。なんだか大学自体がよくわかっていなくて、てんやわんや状態っぽいです。
はじまったばかりですが、高校生がいくら頑張っても受け皿の大学がなかったら困るので、頑張ってもらいたいと思います。
にほんブログ村